「投げると肘が痛い」——野球をやっている中学生に、意外と多い悩みです。僕自身、小学生・中学生の頃に肘を痛めた経験があります。肘の痛みは軽く見て投げ続けると、将来に残る故障につながることもあります。だからこそ予防とケアが本当に大切です。
この記事では、中学生の肘を投げすぎや悪いフォームから守るための予防とケアを、僕の実体験と一般的な目安をまじえて紹介します。読者は肘を痛めたくない球児と、肘を心配する保護者の方を想定しています。なお、これは医療的な治療法ではなく予防・セルフケアの参考情報です。痛みが強い・続く場合は必ず専門家に相談してください。
野球肘とは?なぜ中学生に多いのか
野球肘とは、投球の繰り返しによって肘に負担がかかり、痛みが出る障害の総称です。日本臨床整形外科学会によると、投球障害の原因は過度の投球回数に加えて、投球フォームの不良が影響するとされています(※1)。
特に中学生(成長期)は、骨や関節がまだ発達途中でデリケートなため、負担が蓄積しやすい時期です。野球肘の発生は11〜12歳頃にピークがあるとも言われており(※2)、成長期こそ「痛くなる前の予防」が何より大切になります。肩のケアについては野球の肩の痛みを予防するストレッチの記事も、あわせて読んでみてください。
【実体験】僕が肘・肩のために意識していたこと
肘を痛めた経験から、僕が意識するようになったのは「体を使って投げる」ことです。腕や肘の力だけで投げる「手投げ」になると、肘1か所に負担が集中します。下半身から体幹、腕へと力を伝えて、体全体で投げると、肘への負担が分散されます。
もう一つ大事にしていたのが、肘を曲げて”置きに行くように”投げないことです。コントロールを気にして肘先だけで丁寧に置きにいくような投げ方は、かえって肘に無理な力がかかります。腕をしっかり振って、体の勢いで投げるほうが、肘にはやさしいと感じています。
肘・肩を守る準備運動とストレッチ
肘を守るうえで、練習前の準備はとても大切です。冷えた状態でいきなり全力で投げると、肘にも肩にも負担がかかります。体が温まるまでしっかりアップしてから投げ始めることを習慣にしましょう。
僕が特に意識していたのが、肩の後ろ側を温めることです。肩の後ろの筋肉は筋トレでは鍛えづらく、投球で硬くなりやすい部分。そこで、腕を上に上げて後ろに持っていくストレッチで、肩の後ろをほぐして温めるようにしていました。肩まわりの柔軟性は、肘の負担軽減にもつながります。
準備運動には、普通のストレッチに加えて、メディシンボールを使った全身の連動トレーニングや、次に紹介するチューブトレも取り入れていました。
チューブを使ったインナーマッスルトレーニング
肘や肩を守るには、関節の奥にある小さな筋肉(インナーマッスル)を鍛えることが役立つとされています。日本臨床整形外科学会も、予防には肩まわりの筋力強化と柔軟性の維持が重要としています(※1)。
ここで便利なのがトレーニングチューブです。ダンベルのような重い負荷ではなく、軽い負荷で肘・肩まわりを丁寧に鍛えられるので、成長期の中学生のインナートレにぴったり。僕もチューブを使って、腕をゆっくり外側に開く動き(外旋)などを、フォームを意識しながら行っていました。重い負荷は必要ありません。軽い強度で、正しいフォームで続けることが大切です。
🎽 初心者におすすめのトレーニングチューブ
野球のインナートレには、強度が選べるチューブが便利です。元プロ野球トレーナー・立花龍司さん監修の「プロマーク トレーニングチューブ」など、野球用として定番の商品があります。中学生や初心者は、まず軽い強度(レベル1)から始めるのがおすすめです。

投げすぎを防ぐ(球数の目安)
どんなにケアをしても、投げすぎては肘を守れません。日本臨床スポーツ医学会の「青少年の野球障害に対する提言」では、全力投球数の目安として小学生は1日50球・週200球、中学生は1日70球・週350球、高校生は1日100球・週500球を超えないことが示されています(※2)。
特に成長期は、この目安を意識して「投げすぎない勇気」を持つことが、長く野球を続けるための土台になります。
こんな時はすぐ専門家へ(保護者の方へも)
予防を心がけていても、痛みが出ることはあります。投げると肘が痛い、痛みがしばらく続く、肘が伸ばしにくい・曲げにくいといった場合は、自己判断せず整形外科やスポーツトレーナーなどの専門家に相談してください。成長期の肘の痛みは、放置すると将来に影響することもあるため、特に慎重に。
保護者の方へ。お子さんが肘の痛みを訴えたら、絶対に無理をさせないでください。「痛いのを我慢して投げる」ことが、取り返しのつかない故障につながることもあります。本人のペースを尊重し、準備運動やケアを一緒に習慣づけてあげることが、何よりのサポートになります。
まとめ|肘は「予防・フォーム・投げすぎない」で守る
- 野球肘は投げすぎ+フォーム不良が原因。成長期の中学生は特に注意
- 手投げせず、体を使って投げる。肘で置きに行かない
- 練習前に肩の後ろを温め、チューブで軽くインナーを鍛える
- 投球数の目安(中学生は1日70球・週350球まで)を守る
- 痛みが続く時は無理せず専門家へ
いきなり全部やろうとしなくて大丈夫です。まずは「練習前に肘・肩まわりを温める」ことから始めてみてください。小さな習慣が、これから何年も投げ続けられる肘を作ります。大切な肘を、一緒に守っていきましょう。
参考資料
- ※1 日本臨床整形外科学会「投球肩」(投球障害の原因・予防)
- ※2 日本臨床スポーツ医学会「青少年の野球障害に対する提言」(全力投球数の目安・障害発生のピーク年齢)


コメント