野球の肩の痛みを予防するストレッチ|投げ続けるための肩ケアと準備運動

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投げようと肩を上げた瞬間に「ズキッ」と痛んだ——僕も現役時代に経験しました。野球をやっていると、肩の痛みは多くの人がぶつかる悩みです。でも、肩の痛みの多くは正しい準備とケアで予防できるとされています。

この記事では、肩を痛めた僕の経験と、実際に予防・軽減に役立った方法を紹介します。読者は投球で肩を痛めたくない球児と、その体を心配する保護者の方を想定しています。なお、これは医療的な治療法ではなく、あくまで予防・セルフケアと個人の経験です。痛みが強い・続く場合は必ず専門家に相談してください。

野球肩はなぜ起きる?投げすぎだけじゃない

「肩が痛くなるのは投げすぎだから」と思われがちですが、それだけではありません。日本臨床整形外科学会によると、投球障害肩(いわゆる野球肩)の原因は過度の投球回数に加えて、投球フォームの不良が影響するとされています(※1)。

つまり、いくら球数を抑えても、フォームが悪ければ肩に負担が集中してしまうということです。また、野球肩の発生は15〜16歳頃がピークとされており(※2)、体ができあがる前の中高生こそ予防が大切な時期だといえます。

【実体験】僕が肩を痛めて学んだこと

僕が肩を痛めたとき、痛みは「投げようと肩を上げた瞬間にズキッとくる」ものでした。カットマンまで送球が届かず、コントロールも安定しなくなり、思うように投げられない時期が続きました。

振り返って一番の原因だと感じているのは、フォームが悪かったことです。腕の力だけで「手投げ」になっていて、肩に負担が集中していました。

そこで意識するようになったのが、「手で投げず、体・下半身を使って投げる」という考え方です。捕球してからの勢いを利用し、下半身から体幹、腕へと力を伝えて投げると、肩1か所への負担が分散されます。プロの選手の体の使い方を映像で学び、それを自分の体で理解しながら、ゆっくり身につけていきました。フォームを見直すことが、肩を守る一番の近道だったと感じています。

肩を守る習慣(図解)

肩を守る4つの習慣 インフォグラフィック

練習前にやる肩の準備ストレッチ

肩を守るうえで、僕が特に大事だと感じているのが練習前の準備です。悪いフォームや冷えた状態でいきなり全力投球を始めると、肩を痛めるリスクが上がります。

意識していたのは、「体が温まるまで」「投球動作とリンクするまで」しっかりアップすることです。具体的には次のような流れです。

  • 軽いランニングやその場ジャンプで全身を温める
  • 肩や肩甲骨をゆっくり大きく回す
  • 腕を振る動作で投球に近い動きを少しずつ入れる
  • キャッチボールは短い距離から、フォームを確認しながら徐々に距離を伸ばす

いきなり遠投や全力投球をせず、「投げられる状態」を作ってから投げる。これだけで肩への負担は大きく変わります。

肩を守るインナーマッスルトレーニング

肩関節は、奥にある小さな筋肉(インナーマッスル/回旋筋腱板)が安定を支えています。日本臨床整形外科学会も、予防には肩周りの筋力強化と柔軟性の維持が重要だとしています(※1)。

僕が続けていたのは、チューブを使った肩のインナーマッスルトレーニングです。軽い負荷で、肘を体の横に固定して腕を外側に開く外旋運動などを、丁寧に行っていました。重い負荷は必要ありません。むしろ軽い負荷でフォームを意識するほうが効果的です。

実感として大きかったのは、「痛くなってからやるのは大変だけど、痛くない時にやっておくと痛くなりにくい」ということです。インナートレは”痛みが出る前の予防”でこそ価値があります。調子がいい時ほど、コツコツ続けてほしいです。

練習後のケアと栄養補給

投げたあとの肩は疲労がたまっています。練習後は軽くストレッチをして肩周りをほぐし、張りや熱感が強いときはアイシングでクールダウンするのもよいでしょう。

そして、体の回復には栄養も欠かせません。筋肉の修復に必要なタンパク質を、練習後にしっかり補給しておくことも、コンディションを保つうえで役立ちます。食事で足りない分は、プロテインで手軽に補えます。

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こんな時は専門家へ(保護者の方へ)

予防を心がけていても、痛みが出ることはあります。痛みが強い、しばらく休んでも痛みが続く、腕が上がらないといった場合は、自己判断せず整形外科やスポーツトレーナーなどの専門家に相談してください。早めの対応が、長く野球を続けるための一番の近道です。

また、投げすぎの予防も大切です。日本臨床スポーツ医学会の「青少年の野球障害に対する提言」では、全力投球数の目安として小学生は1日50球・週200球、中学生は1日70球・週350球、高校生は1日100球・週500球を超えないことが示されています(※2)。

保護者の方へ。お子さんが肩の痛みを訴えたら、無理に投げさせないでください。「痛いのを我慢して投げる」ことが、将来に残る故障につながることもあります。本人のペースを尊重し、調べて効果のあるケアを一緒に取り入れてあげることが、何よりのサポートになります。

まとめ|明日まず何を1つやるか

肩を守るために大事なのは、「準備・フォーム・無理しない」の3つです。

  • 練習前に体が温まるまでしっかりアップする
  • 手投げせず、体・下半身を使って投げる
  • 痛くない時こそインナーマッスルをコツコツ鍛える
  • 痛みが続くときは無理せず専門家へ

いきなり全部やろうとしなくて大丈夫です。まずは「練習前に肩を温める」ことから始めてみてください。小さな習慣が、これから何年も投げ続けられる肩を作ります。大切な肩を、一緒に守っていきましょう。

参考資料

  • ※1 日本臨床整形外科学会「投球肩」https://jcoa.gr.jp/投球肩/
  • ※2 日本臨床スポーツ医学会「青少年の野球障害に対する提言」(全力投球数の目安・障害発生のピーク年齢)

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