外野からの送球が弱くて走者を止められない。ゴロへの入り方が悪くて捕球後にすぐ投げられない。守備範囲が狭くてフライに追いつけない——外野手なら誰もが一度はぶつかる壁です。今回は外野手の守備力を上げるトレーニングを、筆者自身の経験を交えながら解説します。
筆者は小学生から高校2年までセンター、高校3年から大学4年間はライトを守ってきました。レフト・センター・ライトすべてを経験する中で、特に苦労したのが「外野送球」と「ゴロの入り方」でした。その2つを克服するために実際にやってきたことも紹介します。
外野手に必要な3つの能力

- 送球力:試合の流れを変える、強く正確なスロー
- ゴロへの入り方:勢いをつけて捕球し、即座に投げるための足運び
- 守備範囲:広いエリアをカバーするための一歩目の速さと走力
この3つはどれも、センスではなく正しいトレーニングと反復で着実に伸ばせる能力です。筆者もこの3つを意識して取り組むことで、ポジションが変わっても安定した守備ができるようになりました。
外野送球を強くするトレーニング
外野送球が弱くなる原因の多くは、肩の筋力不足とウォームアップ不足です。筆者が特に意識していたのは、練習前に必ずストレッチを行い、その日の最初のキャッチボールから全力で投げられる状態を作っておくことでした。肩は急に全力で投げると痛めやすいため、準備を怠らないことが長く投げ続けるための土台になります。
① チューブ外旋トレーニング(インナーマッスル強化)
やり方:肘を90度に曲げて体の横に固定し、チューブを外側に開く動作を繰り返す。左右各15〜20回×3セット。
送球への効果:肩のインナーマッスル(回旋筋腱板)を鍛え、送球の安定と怪我予防につながります。軽い負荷で丁寧に行うのがポイントです。
② メディシンボールオーバースロー(全身連動)
やり方:メディシンボールを頭上から壁や地面に向けて全身を使って投げる。8〜10回×3セット。
送球への効果:下半身→体幹→腕への力の伝達を強化します。腕の力だけに頼らない「体全体を使った送球」の感覚が身につきます。
③ フェイスプル(肩甲骨の安定)
やり方:チューブを顔の高さで固定し、両手で顔に向かって引く。肘を肩の高さに保つ。15回×3セット。
送球への効果:肩甲骨周りを安定させることで、繰り返しの送球による肩の負担を軽減します。
ゴロへの入り方を鍛えるフットワークトレーニング
外野のゴロ処理で大切なのは、「止まって捕る」のではなく「勢いをつけて捕る」ことです。止まって捕ると次の送球までに時間がかかり、走者に進塁を許してしまいます。捕球の瞬間に体が前に進んでいる状態を作ることで、捕ってからスムーズに送球へ移れます。
筆者はこのゴロの入り方に苦労しましたが、YouTubeで正しい足の運び方を学び、それを鵜呑みにせず自分の体で理解してから、じっくり反復練習しました。「捕る前にどう足を運ぶか」を意識するだけで、捕球後の送球の速さが大きく変わります。
① クロスオーバーステップドリル(勢いをつけた入り方)
やり方:打球方向へ素早く回り込み、右足→左足のリズムで勢いをつけながら前に出て捕球姿勢に入る動きを反復する。左右各10回×3セット。
守備への効果:捕球の瞬間に前への勢いがある状態を作る足運びが身につきます。捕ってから素早く送球に移れるようになります。
② ラダートレーニング(細かいステップ精度)
やり方:ラダーで様々なステップパターンを素早く行う。各パターン3〜5本。
守備への効果:打球との距離を合わせる細かいステップ調整の精度が上がり、最後の一歩を打球に合わせやすくなります。
③ スプリントスクワット(ゴロへのダッシュ初速)
やり方:スクワットの立ち上がりで素早く力を出し切る意識で行う。8回×3セット。
守備への効果:ゴロや前方の打球に対する一歩目のダッシュ初速を高めます。前に出る打球への対応力が上がります。
守備範囲を広げる筋トレ2選
① ヒップスラスト(一歩目の爆発力)
やり方:ベンチに肩甲骨を乗せ、バーベルまたは自重で腰を持ち上げる。10〜12回×3セット。
守備への効果:臀筋を鍛え、フライや左右の打球に対する一歩目の爆発力を高めます。これが守備範囲の広さに直結します。
② シングルレッグRDL(突進時のバランス)
やり方:片脚立ちで股関節から前傾し、後ろ脚を伸ばしながら戻す。左右各8〜10回×3セット。
守備への効果:フライへ全力で突進した際の片脚でのバランス力を鍛えます。不安定な体勢でも安定して捕球できるようになります。
筆者から外野手へ伝えたいこと
外野手として一番大切だと感じているのは、「自分から学びに行く姿勢」です。筆者はゴロの入り方も送球も、最初から上手かったわけではありません。YouTubeや動画で上手い選手の動きを見て学び、それを鵜呑みにするのではなく、自分の体でしっかり理解してから、やることを整理して全力で反復する——この繰り返しで少しずつ上達してきました。
この姿勢は、センターからライトへポジションが変わったときにも大いに役立ちました。守備位置が変われば打球の見え方も送球の距離も変わりますが、「自分で考えて理解して取り組む」という土台があれば、どんな変化にも対応できます。これは野球だけでなく、筋トレや日常のあらゆる場面に通じる考え方だと思います。
練習後の肩ケアと栄養補給を忘れずに
外野手は送球で肩への負担が大きいポジションです。練習後のアイシングやストレッチによる肩のケアに加え、タンパク質の補給で肩周りの筋肉の回復を早めることが、長く投げ続けるための秘訣です。練習後30〜60分以内のプロテイン摂取を習慣にしましょう。
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まとめ|外野手の守備力は「送球・ゴロ処理・守備範囲」で決まる
- 外野手に必要なのは送球力・ゴロへの入り方・守備範囲の3つ
- 送球は肩のウォームアップを徹底し、インナーマッスルと全身連動を鍛える
- ゴロは「勢いをつけて捕る」入り方をフットワーク練習で身につける
- 守備範囲はヒップスラスト・シングルレッグRDLで一歩目を強化
- そして何より「自分で学んで理解して全力でやる」姿勢が成長の近道
外野手は試合を陰で支える重要なポジションです。地道なトレーニングの積み重ねが、ここぞという場面でのファインプレーや好返球につながります。ぜひ今日から取り入れてみてください。

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